AdRollのレポートではGoogleアナリティクスのレポートとの間にデータの差異が生じることがあります。どちらのレポートも同じ動向をトラッキングし、マーケターに提示することを目的としていますが、レポート生成における方式の違いにより、一部の項目でデータにずれが生じます。各ツールの特徴を把握した上でそれぞれの計測データを活用し、広告パフォーマンスの向上にお役立てください。
2つのプラットフォーム間でデータの違いが生じる場合は、まずAdRollとGoogleアナリティクスのトラッキング機能が正常に作動しているか確認してください。
Googleアナリティクスのトラブルシューティングのチェック項目:
- Googleアナリティクスのコードが正常に作動していますか?
- GoogleアナリティクスのJavaScriptが各ランディングページに配置されていますか?
- 広告のリンク先URLにUTMトラッキングコードが付加されていますか?トラフィックソースが正しくAdRollを指定しているか確認してください。
- 広告のリンク先URLでリダイレクトが発生していませんか?(リダイレクトによって広告キャンペーンのトラッキングコードに不備が発生する場合があります)
- コンバージョンとトラッキングについて、AdRollとGoogleアナリティクスで定義しているコンバージョン地点は一致していますか?
- フィルタを設定して、広告キャンペーントラッキングが削除されたり編集されたりしていませんか?
- Googleアナリティクスの日付・時間設定をAdRollと同じUTCに設定していますか?
AdRollトラブルシューティングは以下をご参照ください:
次に各プラットフォームがレポート生成に使用するデータを説明します。
AdRoll |
Googleアナリティクス |
|
トラッキングするメトリクス |
クリック数 |
訪問者数 |
トラッキングするメトリクスの定義 |
広告のクリック時 |
サイト訪問者が1ページ以上閲覧した時。セッションの有効期限はサイト行動の停止から30分以内。 |
アトリビューションモデル |
クリックスルーCVとビュースルーCVの両方をトラッキング。初期設定のアトリビューションモデルはラストタッチを設定 |
クリックスルーCVのみをトラッキング。初期設定のアトリビューションモデルはラストタッチを設定 |
コンバージョンのアトリビューション設定 |
最後にクリックまたは表示したAdRoll広告にアトリビューションを設定。 |
マーケティングミックス全体で最後にクリックした広告にアトリビューションを設定。セッションの端緒となった広告クリックが発生していない場合、コンバージョンは"ダイレクト"をアトリビューションとする。 |
アトリビューション期間 |
初期設定でクリックCV期間を30日間、ビューCV期間を7日間に設定 |
初期設定でクリックCV期間を30日間に設定 |
クロスデバイスによるアトリビューションの場合 |
決定論マッチングと確率的マッチングを組み合わせたクロスデバイスマッチングを採用 |
Googleアナリティクスはクロスデバイスによるトラッキングを実施していません。このため、ユーザーがモバイル広告をクリック後にデスクトップのブラウザでお客様サイトを訪問すると、Googleアナリティクスによるトラッキング結果は次のようなります。
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AdRollとGoogleアナリティクスで生じるずれについて
FacebookメトリクスでAdRollとGoogleアナリティクスのデータを比較すると、パフォーマンス内容が一致しない場合があることに気づくはずです。ここではお問い合わせの多い問題を対処法とともに説明します。
Facebook広告について、AdRollのレポート結果の方がGoogleアナリティクスよりもクリック数やコンバージョン数が多い:
- GoogleアナリティクスではUTMが広告のリンク先URLに付加されない限り、Facebook広告で発生したクリックは"ダイレクト"トラフィックとしてカウントされます。
- Googleアナリティクスでは同一ユーザーを別個の2人のユーザーとしてカウントすることを避けるため、ユーザーの主要ブラウザに設置されたクッキーはアプリ内ブラウザにアクセスできません
- ユーザーが広告をhttps環境でクリックした後にhttp環境に移行した場合、Googleアナリティクスはリンク元のURLを記録できません。
- Googleアナリティクスにはクロスデバイス検知機能がありません。ユーザーによる広告クリックがモバイルデバイス上で、コンバージョンはデスクトップコンピュータで発生する場合、このクリックスルーコンバージョンをAdRollのアトリビューションと見なします。一方でGoogleはモバイルとデスクトップのそれぞれのセッションを別のユーザーのものと見なすため、このアトリビューションはダイレクトコンバージョンと識別されます。
サイト訪問者について、AdRollのレポート結果の方がGoogleアナリティクスよりもクリック数が多い:
- 同一訪問者が広告を2回以上クリックしている
- 訪問者が広告をクリックしたが、読み込み途中でそのページから離脱した
- 訪問者がGoogleアナリティクスのトラッキングコードが作動する前にサイトを離脱した
- 訪問者がGoogleアナリティクスのトラッキングをオプトアウトしたが、AdRollのトラッキングはオプトアウトしていない場合
AdRollレポートのクリック数がGoogleアナリティクスでレポートする訪問者数よりも少ない:
- 訪問者が広告をクリックした後、ブラウザのブックマーク経由もしくはアドレスバーの直接入力で別のセッションタイムにサイトに戻っている。この場合、アトリビューションを記録する広告は最初の訪問分だけです。このためクリック数は最初の1回だけがカウントされ、それによる訪問数は複数となります。
AdRollとGoogleアナリティクスで生じるずれを説明する方法
レポートでデータに生じたの食い違いについて、お客様ご自身で情報を整理できるヒントを以下に挙げます。
- AdRollレポートのクリックコンバージョンを確認する。Googleアナリティクスはクリックコンバージョンのみの貢献度を計測しています。
- AdRoll広告が貢献したクリックコンバージョンをGoogleアナリティクスで調べる場合は、ラストクリックとアシストコンバージョンのデータを結合する。コンバージョン > マルチチャネルファネル > アシストコンバージョンの順に進むと目的のデータが表示されます。AdRoll広告によるラストクリックとアシストコンバージョンを合計し、AdRollレポートで表示しているクリックスルーコンバージョンのデータと比較します。
- AdRollレポートではGoogleアナリティクスよりもクリックスルーコンバージョンが多く検出される傾向にあります。レポートに他のディメンション(例.ソースもしくはメディアなどの属性)を追加してインベントリソース(例.ウェブやFacebook)まで調査し、その結果をAdRollのウェブ広告もしくはFacebook広告が貢献したクリックスルーコンバージョンと比較します。一般的にAdRollレポートが検出するウェブコンバージョンは、AdRoll広告が貢献したウェブコンバージョンと値が近くなります。
- Facebook広告の場合に限ってデータのずれを取り上げる場合、AdRollのFacebookレポートで表示する項目の一部をアシストコンバージョンレポートに当てはめます。その後デバイスカテゴリを補助ディメンションとして追加します。
- AdRollプレイスメントレポートと比較する。上記で述べた理由により、データの差異は概ねFacebookモバイルプレイスメントに集中しています。